レッスン初日。
先生のスパで泊まり込みというオプションもありましたが、別途費用が発生するので私は毎日車で送迎してもらうことにしました。
朝迎えに来てくれたのは前日と同じ女性とその彼氏。
彼氏の方はタイ語だけ話すので「サワディカップ」「コップンカップ」のみでコミュニケーションを試みました。
そんな無理をしているうちにスパ着。
先生はチェンマイの肝っ玉母さんという風情で、前回チェンマイでjジャップカサイ(睾丸マッサージ)を教えてくださったカーロン先生を思い出しました。
ところでカルサイネイザンのマンツーマンレッスンでは施術を受けるためのモデルさんを雇います。
カーロン先生の時は60歳を超えたおじいさんだったのですが、おなかに女の人がうんこ座りしている(おへそのところが女性器になっている)、なんだか気合の入った刺青を入れておられたので、練習とはいえ下手は打てないと緊張したことが思い出されます。
今回のレッスンでモデルをしてくださる男性は、クンジー先生のレッスンでモデルをいつも請け負っているベテラン男性と聞いていましたが、あいにく初日はスケジュールが合わないということでした。
どうするんだろう、と思いながら着替えて施術台へ行くと運転手くん(19)が心細そうに横たわってました。
どう言いくるめられたのか、今日は彼がピンチヒッターのようです。
不安そうな彼をものともせず先生は彼のお腹にマジックでゴリゴリとポイントを書いていきます。
チネイザンおよびカルサイネイザンの施術料金はタイの中でも非常に高いので、19歳で学生だという彼はおそらく初体験。
どころか、マッサージ自体もあまり受けた経験はなさそうです。
先生にポイントを押されるたび、案の定大変な思いをさせられていました。
彼がマッサージに慣れていないことは、私にはある意味ラッキーな面がありました。
先生からの施術でさえ彼にとっては怖いのに、初心者の私からの施術はもっと怖い。
そんな彼に対して、信頼してもらうにはどう触ればよいか、痛がられないようにするにはどう施術すればよいかを学ぶことができたからです。
何度か試行するうちに、彼の呼吸も落ち着いてきて、最後の方には気持ちいいという言葉をもらうことができました。
レッスンが一段落ついてとなりの応接間でコーヒーを頂いておりましたら、施術台から阿鼻叫喚。
何事と思ってのぞくと、サッカーで足を痛めた過去があるという彼に、先生が治療を施しておられました。
その後も私のレッスンそっちのけで治療に専念。
目の前に問題抱える人を前にすると施術せずにはいられない。
そういうセラピストの姿を目の当たりにできただけでもタイに来た甲斐があるというものです。
