男性機能ケアのリンガムマッサージをしていると「私早いんですよ」と早漏を告白し、気になさる方がいらっしゃいます。
そこで今回は「なぜペニスはそんな形をしているのか」にあった「早漏のなにが「早すぎ」?」の章を紹介させていただきます。
「早漏」という概念は進化論的見方からすると奇妙である。
射精の働きそのものには問題がないからである。
1984年、社会学者ローレンス・ホンは「早漏の起源について」という論文を発表し、ヒトの長い進化の歴史を通して「女性にとって最良の相手とは早くのしかかって、すぐに射精して、直ちに離れる、迅速な男だったのかもしれない」と結論づけた。
ホンが参照にした実証データでは、男性がオルガスムスに達するのが挿入後平均2分後であるのに対して、女性のそれは4分後であった。
この結果が示すのは、セックスが純粋に生殖の目的で進化したことである(快感の有無は「生殖」においては必要条件ではない)。
ちなみに、異性同士が快楽のためにセックスすることが可能になったのは避妊具が開発されてからで、人類史のスケールでみるとほんの一瞬前。
ヒトにおいても、性交時間が長いとそれだけ外部から攻撃を受けやすくなるので、射精時間の短い男性が残ってきたと考えられる。
つまり早漏は自然淘汰の産物といえる。
2009年、フィンランドの心理学者パトリック・イェルンチームが大規模な双生児実験を行い、早漏が遺伝的要因によってある程度決まるという証拠を報告し、淘汰説を裏付けた。
ちなみに、彼らの別の報告によると、膣、フェラチオ、手コキ、アナルの中では膣による射精時間がもっとも短い。
ヒトは他の種と異なる社会認知能力を得たことで、セックスの間に相手への共感を体験できる唯一の種になった。
その時から男性はセックスにおいて、自分だけでなく相手も満足するように考えるようになり、その結果意図的に性交の時間を長引かせて、相手のために射精を遅らせることができるようになったのかもしれない。
どうやら人類は「早漏」がデフォルトのようですね。
全男性のうち「早漏」とされるヒトは30%いるそうで、左利きの10%とくらべてドメジャー。
これはもう少数派とはいえないレベルですね。
当店にも「早漏をなんとかしたいんです」とおっしゃるお客様が一定数いらっしゃいます。
ただそうおっしゃるお客様がたいていの場合、リカバリも早いです。
なので、お悩みの方には「例えば、同じ1時間を与えられたとして、遅漏の人は頑張っても1回しか射精できません。お客様はその間に2回射精することが可能ではないですか?」と申し上げると、たいていのお客様は身に覚えのある表情に変わり「さあ!どっちがお得ですか!」と畳み掛けると、たいていの人は「それもそうだね!」とおっしゃいます。
参考図書:なぜペニスはそんな形なのか ジェシー・ベリング 著 鈴木 光太郎 訳