「ペニスの文化史」の中の「歴史に名を残すペニス」の章には、古今東西の文献や遺跡などから抽出した、歴史上特筆すべきペニス(その持ち主)が挙げられています。
今回はプリアポスをご紹介させていただきます。
プリアポスは古代ギリシヤの神で、男性の生殖力の神で、庭園やブドウ園の守護神とされている。
プリアポスは祖母の呪いによって巨根という「奇形」に生まれた。
「それは呪いというより僥倖では?」と思うかもしれませんが、古代ギリシャにおいて巨根は醜いとされていたからである。
しかし、呪いと言いながらも、プリアポスは娘たちからその「奇形」部分によってモテモテ。
それに嫉妬した町の男たちがプリアポスを追い出すと、その報いに町の男性たちが全員不能になるという事態に陥った。
慌てふためいた男たちが神託にすがったところ、プリアポスに礼を尽くして呼び戻し、さらに祭壇をつくって崇拝せよ指示された。
こうしてプリアポスは町の守護神となった。
プリアポスは庭園の神様でもあるが、庭園で鳥を追い払う役目の他に、盗賊を追い払うとも言われていた。
プリアポスの勃起したファルス(神様のペニス)は、「肛門を犯してやるぞ」と盗賊を脅す武器にもなったからである。
ある文献には以下のように記述されている。
「盗人め、最初に来たときは、尻を犯してやる。また戻ってこようとしたら、その時は口だ。もし、三度目に来たなら尻と口の両方につっこんでやる。」
盗賊によっては追い払われるどころか引き寄せられるんじゃね、と思いました。
参考図書;ペニスの文化史 Marc Bonnard (原名), Michel Schouman (原名), 藤田 真利子 (翻訳)