カルサイネイザンを勉強していくと道教の考え方に触れていくことになるのですが、道教では「セックスはガンガンすればいいけど射精はしないようにするんやで。」という教えになってます。
私は「射精しない人生って何のための人生かッ!」と思い、カルサイネイザンの考え方やポイントなどは男性機能ケアに取り入れるけど、そこの部分は採用しないと固く心に誓っている有り様です。
さて、そんな未熟な私の後ろ支えとなりそうな、「射精をしたほうが心と体の健康にいいですよ」という研究結果があるので、その内容を紹介させていただきます。

第6回:性機能と血流の関係
― EDと射精のメカニズム ―
性機能の維持には、心理的要因やホルモンバランスに加えて、**血流(血管機能)**が極めて重要な役割を果たしています。
本稿では、勃起と射精に必要な血流の働きについて整理しながら、勃起不全(ED)との関係性、血行改善の観点から射精の意義を再確認します。
勃起とは「血液による現象」である
勃起は単なる神経反射ではなく、海綿体内の血流増加と静脈の流出制限によって生じる血管現象です。
● 勃起の基本メカニズム
- 性的刺激(視覚・触覚・思考)が脳に伝わる
- 副交感神経が活性化し、陰茎動脈が拡張
- 海綿体に急激に血液が流入
- 同時に、静脈の出口が圧迫されて血液がとどまることで陰茎が硬化
このプロセスのどこかに障害があると、**十分な勃起が得られない、あるいは維持できない状態(=ED)**となります。
ED(勃起不全)の主な原因と血流
EDの多くは**血管性ED(vasculogenic ED)**と呼ばれ、以下のような要因により引き起こされます。
- 加齢に伴う血管の弾力性低下・動脈硬化
- 高血圧・糖尿病・高脂血症などの生活習慣病
- 骨盤周辺の血流不全、末梢循環障害
- 運動不足やストレスによる一時的な血行低下
心臓や脳と同様に、陰茎の血管も“末端”であるため、全身の循環状態を反映しやすいと言われています。
射精にも血流が必要
射精は、単なる精液の放出ではなく、交感神経主導の一連の血行・筋収縮反応によって構成されています。
● 射精の過程における血流の役割
- 前立腺・精嚢・射精管への血流供給と充血
- 会陰部・骨盤底筋のリズミカルな収縮
- 射精後の血管収縮・排液調整
これらの機能には、適切な局所血流と酸素供給が不可欠です。
したがって、血流が不良な状態では、射精時に痛みや不快感を伴うこともあります。
射精の持つ「血流刺激」としての役割
定期的な射精には、以下のような血流面でのプラス効果が指摘されています。
- 骨盤内の静脈還流促進
- 会陰筋・肛門周囲筋の運動による毛細血管循環の刺激
- 局所的なうっ血の緩和
とくに座りっぱなしの生活や運動不足がある人において、こうした機会的刺激は骨盤内うっ血対策として意味があると考えられています。
治療・予防の観点から
血流に着目したED対策として、以下のような要素が重要視されています。
- 有酸素運動(ウォーキングや軽いランニング)
- 骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)
- 血管内皮機能を保つ食事(野菜・オメガ3脂肪酸など)
- 禁煙と過度の飲酒の回避
- 必要に応じた医師の指導によるPDE5阻害薬の使用
射精そのものが治療法ではありませんが、局所循環の活性化・神経系の健全化という面で予防的意義があると捉えることができます。
6回にわたって射精についての研究を紹介させていただきました。
今回調べて、専門家の研究の結果「射精は健康によい」という結論もあるのだということを知ったので今後も安心して射精を楽しんでいく所存です。
みなさんも楽しみながら心身の健康を増進させてみてください。
※参考文献:
- Montorsi F et al. European Urology. 2003;44(4):352–364
- Feldman HA et al. J Urol. 1994;151(1):54–61
- Rosen RC et al. J Sex Med. 2004;1(1):28–35
- 日本性機能学会・ED診療ガイドライン(2021年版)