射精が心と身体によいというお話-第1回:月21回以上の射精が前立腺がんリスクを減らす

カルサイネイザンを勉強していくと道教の考え方に触れていくことになるのですが、道教では「セックスはガンガンすればいいけど射精はしないようにするんやで。」という教えになってます。

私は「射精しない人生って何のための人生かッ!」と思い、カルサイネイザンの考え方やポイントなどは男性機能ケアに取り入れるけど、そこの部分は採用しないと固く心に誓っている有り様です。

さて、そんな未熟な私の後ろ支えとなりそうな、「射精をしたほうが心と体の健康にいいですよ」という研究結果がハーバード大学で発表されておりましたので、これから数回にわたってその内容を紹介させていただきます。

第1回:射精回数と前立腺がんリスクの関係

― ハーバード大学による18年間の追跡研究より ―

近年、射精頻度と前立腺がんリスクとの関連について、複数の疫学的研究が報告されています。
その中でも特に注目されているのが、ハーバード大学が行ったHealth Professionals Follow-Up Studyです。

この研究では、月間の射精回数が多い男性ほど、前立腺がんの発症リスクが低下するという結果が示されています。


調査概要

  • 実施:ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)
  • 対象:20代〜40代の米国人男性29,342人
  • 期間:1992年から18年間の前向き追跡
  • 評価項目:月間の射精回数と前立腺がんの発症率の相関

主な結果

月の射精回数前立腺がんリスク(ハザード比)
4〜7回1.00(基準)
13〜20回0.88
21回以上0.81(20代時点)/0.78(40代時点)

月21回以上射精していた男性は、月4〜7回の射精と比較して、前立腺がんの発症リスクが約20〜22%低下していたことが示されています。
この傾向は、20代・40代いずれの年齢層でも統計的に有意でした。


年齢と効果の持続性

若年期の射精頻度に加え、40〜49歳時点での射精頻度もリスク低下と明確に関連していたことがわかっています。
これは、前立腺がんの予防において、年齢を問わず一定以上の射精頻度が有効である可能性を示唆しています。


射精がもたらす保護的作用の可能性

射精による前立腺がんリスク低下のメカニズムとしては、以下のような仮説が挙げられています。

  • 前立腺液に含まれる老廃物の定期的な排出
  • 慢性的な前立腺内炎症の抑制
  • ホルモンバランスや神経内分泌系への調整効果

これらの要因については、次回以降に詳しくご紹介していく予定です。


次回予告

第2回:「なぜ射精でリスクが下がるのか?」
─ 前立腺内の老廃物と“排出”の生理学的意義について ─


※参考文献:

  • Rider JR et al. Eur Urol. 2016;70(6):974–982.
  • Leitzmann MF et al. JAMA. 2004;291(13):1578–1586.
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